自転車での事故を起こさないために安全運転を行う方法とは? 

新型コロナウイルス感染症の問題で、他者と接触せず移動できる交通手段として注目された自転車。その一方で、自転車の増加により交通事故が問題となっています。自転車は免許が要らず、子供からお年寄りまで、様々な人が乗ることができますが、交通ルールを守る必要があります。自転車の事故には、自損事故や他損事故などがありますが、ここではできるだけ事故を起こさないためのポイントなどを紹介します。

自転車を運転する際守る必要がある法律とは?

 

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自転車の運転を行うには様々な法律を守る必要があります。自転車が走る場所は車道が原則、歩道は例外と言われています。自転車は道路交通法上軽車両と位置付けられており、歩道と車道の区別がある道路では車道通行が原則となっています。しかし、道路標識や道路標示によって歩道を通行することができ、13歳未満の子ども、70歳以上の高齢者、車道通行に支障がある身体障害者、車道又は交通の状況に照らして、自転車の通行の安全を確保するため、歩道を通行することがやむを得ないと認められるときは歩道を走行することが可能です。現実問題として、車道には沢山の車が走行しているところは少なくなく、そのような場所を走る場合、歩道走行を有効活用する必要があります。

その一方で、歩道の中でも自転車が走行できない細い歩道も存在します。そのような歩道を走るのは逆に危険なこともあるので、このような歩道を走るのはやめておきましょう。

車道を走る際は、車道の左側を走る必要がありますが、左端に寄りすぎると走行中、歩道の段差に当たりやすいという危険があるため、左端に寄りすぎないで走行しましょう。また、いわゆる逆走状態での車道の走行は法律で禁止されており、非常に危険なので行わないようにしましょう。


歩道を走行する場合は、歩行者優先で車道寄りを徐行する必要があります。また、歩行者の通行を妨げることになる場合は、一時停止しないといけません。歩道は速度を出さずにゆっくりと走る必要があります。

自転車は自動車やオートバイと同じように飲酒運転は禁止されています。他にも、二人乗りや他の自転車と並んで通行する並進をすることはできません。

夜間走行を行う際は、前照灯及び尾灯(又は反射器材)をつけてください。前照灯は様々なものがありますが、物によっては暗くて前照灯の役割を満たさない物もあるため、そのような物を装着するのはやめておきましょう。また、前照灯を購入する際は、安全性を求めるのならできるだけ明るい物を装着しましょう。特に、街灯が無い暗い場所を走る場合、暗い前照灯を装着すると周りを把握しにくくなるため、事故が発生しやすくなります。

法律では自転車の後ろには尾灯か反射板のどちらかを装着する必要がありますが、一番は尾灯と反射板の両方を装着するのが良いでしょう。そうすることで尾灯を使用していない場面でも、反射板で後方の車両に存在を知らせることができます。あまり注目されませんが、確認しておきたいのがペダルに反射板が装着されているかです。ペダルによっては外れてしまう物があったり、反射板が装着されていない物がありますが、ペダルに装着された反射板は漕いでいる時は動いているので、後続車から目立ちやすいため、できるだけ装着しておくことにしましょう。

また、反射板に関してはホイールに装着することで前後だけでなく左右も目立たせることができるので、夜間走行を頻繁に行う際は装着しておきましょう。

ヘルメットの着用に関しては、日本国内では2022年10月現在、ヘルメットの着用は任意となっています。ヘルメットは自損事故を発生した時、頭を守る効果があります。また、児童・幼児を乗せる場合は、万が一の転倒を守るために乗車用ヘルメットをかぶっておくことをお勧めします。

運転を行う際は、慣れがもたらす「だろう運転」や「ながら運転」を行わない

 

自転車の運転を行う際にやってはいけない運転が、危険を予測しない「だろう運転」や、周囲の状況を見えなくさせる「ながら運転」です。「だろう運転」は、周りの状況を都合よく判断して、発生する可能性がある危険を予測しない運転のこと。運転に慣れると、経験による勝手な予想から、自分に都合がいい「だろう運転」に陥りやすいです。今まで走っていたので安全だろうと思っても、捉われて走るのは危険。交通状況は常に変化しており、常に危険を予測した「かもしれない運転」を実践しましょう。

運転以外の行為をしながら運転することで周囲の状況を見えなくなる「ながら運転」は非常に危険です。典型的な事例がスマートフォンや携帯電話を使用しながらの運転で、走行中のスマートフォンや携帯電話等の使用は、周囲の状況を見えなくさせるため、危険を発見することができず、運転操作ミスも発生するため、重大な事故につながります。ながら運転は絶対に行わないようにしましょう。

自転車の整備や点検を行い、安全を保つようにしよう

安全運転で重要なことの1つが、乗っている自転車が快調にしておくことです。例えばブレーキが不調な状態で走行すると、ブレーキが効かず事故を起こしてしまうでしょう。最低限でも走行前に確認しておきたいのが、ブレーキは効くのか、ハンドルはきちんと固定されているか、ハンドルグリップは握っている際に回らないか、車輪の装着がガタガタせず適切なのか、タイヤに空気が入っているのか、前照灯、尾灯は明かりがつくのか、サドルは適切に固定されているかは確認しておきましょう。また、走行中でも異音がしたり、部品が外れかかっていることがある場合は、安全なところに自転車を止めて、確認を行いましょう。

危険を予測した運転を行う

公道を自転車を運転すると見えにくい場所から急に歩行者が飛び出したりするなど、危険な場面に遭遇することが少なくないでしょう。自転車で走る際は、交通状況に的確に対応し、周りの状況に気を配り、発生する危険を前もって予測する必要があります。

運転は「認知」「判断」「操作」の3要素で行われており、いずれかが無く、運転者がミスを犯すと交通事故が発生すると言われています。運転中は、変化する交通状況を瞬時に把握してどこに危険があるのか認知し、どのように走行すべきか判断や予測を行いましょう。このような判断を行うのに重要なのが目と耳を使うこと。周囲を目でよく見て、さらに周りの音を聞き、危険につながりそうな状況がないかを探して走るのが重要です。

カーブの安全な曲がり方は?

自転車でカーブを安全に曲がる際にやってはいけないのが、曲がりきれない速度でカーブに進入することです。速度が速ければ速いほど車体を外側へ押し出す遠心力が強くなり、遠心力に負けることで曲がり切れずにガードレールに衝突したり、崖下に落下する事故が発生します。カーブを安全に曲がる場合、カーブに入る手前で十分な減速を行いましょう。カーブは、カーブを抜けた先の道路状況やカーブそのものの大きさがわかりにくいことが多いです。早めにブレーキをかけてカーブに進入すれば。もしカーブの先に障害物や故障車などがあっても、余裕をもって停まったり、回避などを行うことができます。

そして、カーブを曲がる際の目線は、手前の路面やガードレールなどではなく、積極的にカーブの先に移し、路面状況や障害物がないか情報を収集しましょう。また、自転車などの2輪車は、無意識に見ている方向に体を捻りハンドルを切るため、その方向に曲がっていこうとする性質があります。カーブを曲がる際は顔をしっかりと進行方向に向けて曲がりましょう。

滑りやすい道は注意して走行する

自転車で走行するときに気をつけたいのが、滑りやすい道です。滑りやすい道は街中にたくさんあります。例えばマンホールの蓋や道路工事でよく見る鉄板、橋の継ぎ目、グレーチングは鉄で作られており、水に濡れると滑りやすくなるため、車体を傾けたまま通過すると転倒するおそれがあります。他にも、落ち葉や道路上の砂利も滑りやすいです。このような滑りやすい場所を走る場合、急ブレーキ、進路変更は厳禁で、車体を真っ直ぐに立てて通過しましょう。

雨の日は滑りやすいので注意して走行する

自転車で走る際に憂鬱な天気といえば、雨の日でしょう。雨が降っていると、体が濡れてしまい風邪をひいてしまうだけでなく、路面が濡れることで滑りやすくなります。自転車は体がむき出しのため、雨の日の走行は晴れの日よりも危険度が増すため、雨の日はできるだけ走らないのが一番です。しかし、通勤や通学などで自転車を使う場合は、雨の日も自転車で走る必要があります。

最初に注意しておきたいのが、雨に濡れた道は通常よりもスリップしやすいということでしょう。特に急ブレーキを行うと、通常よりもブレーキがロックしやすくて転倒することがあります。自転車のブレーキにはロックを防止するアンチロック・ブレーキ・システムは無いため、ブレーキをかけるときは急ブレーキをさけて運転しましょう。

また、雨の日に走行する場合に備えて雨対策アイテムを揃えておくのがベストです。雨に濡れないようにするためのレインコートや、頭に雨がかかりにくくするための帽子やヘルメット、雨が目に入らないアイウェアやシールド付きヘルメットを用意しておきましょう。

自転車保険には加入しよう


自転車事故で高額な賠償金が請求される事例が発生している中、自転車保険の加入を義務付ける自治体が増えています。加入を義務付けている主な自治体は、北海道、青森県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、岡山市、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県と非常に多いです。多くの自治体では罰則なしの義務や努力義務となっていますが、加入する必要があり、その地域の住民でなくても、義務化地域を自転車で通る場合は、自転車保険の加入が義務づけられる場合があるため注意しましょう。

各自治体の条例で定められている自転車保険は、主に加害事故を起こした時に被害者側に補償できる個人賠償責任補償に加入するように定められています。個人賠償責任補償保険とは、自動車事故以外の日常生活の事故により、他人にケガをさせたり他人のモノを壊してしまい、法律上の損害賠償責任を負った場合に補償する保険。この保険は、自転車で人に怪我をさせただけでなく、飼い犬が他人を噛んでケガをさせた、お店で商品を壊してしまったなど、様々な事故に対応する保険で、自転車に乗らなくても入っておきたい保険と言えます。自転車保険によっては、自転車以外での事故にも対応していることもあるため、個人賠償責任補償に入っていない場合は、入っておくことをおすすめします。

交通事故は起こさないようにしても、どうしても発生してしまうことがあります。それでも、細かいトラブルを抑えることで交通事故をできるだけ発生させないようにするように安全運転を努めましょう。

 

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