大手自転車シェアリングサービスを徹底的に解説 レンタサイクルや個人間シェアリングサービスも交えて紹介

今や、多くの都市で見かけるようになった交通機関の1つといえばシェアサイクルでしょう。シェアサイクルとは、街中に多数設置されているステーションで借り、目的地に近いステーションで返却する方式のレンタサイクル。通常のレンタサイクルと違うのは、レンタサイクルは、有人で自転車のレンタルを行っているのが一般的ですが、シェアサイクルは、地域(エリア)に貸し出し、返却が可能なステーションを作り、スマートフォンなどを使い自転車を借り、ステーションで返却する方式となっています。


従来のレンタサイクルは、観光地での利用が一般的でしたが、シェアサイクルは無人で貸し出し・返却することができ、幅広い場所にステーションを用意することで、買い物やビジネス、観光まで幅広く使うことができます。

日本国内には様々なシェアサイクル事業者がありますが、その中でも主要シェアサイクル業者で有名な「ドコモシェアサイクル」「Hello Cycling(ハローサイクリング)」「COGICOGI(コギコギ)」「PiPPA(ピッパ)」を紹介します。また、東京でスポーツ自転車のレンタサイクルを実施している「CycleTrip BASE」に、スポーツ自転車シェアリングサービスを行っている「CycleTrip 」に関しても紹介します。

赤い自転車で有名な大手シェアサイクル「ドコモシェアサイクル」

ドコモシェアサイクルは、ドコモバイクシェア株式会社が運営するシェアサイクル。シェアサイクルに使われている電動アシスト自転車の塗装が赤いことで知られており「赤チャリ」という愛称でも親しまれています。

ドコモシェアサイクルがサービスを行っているエリアは、東京23区(千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、江東区、品川区、目黒区、大田区、渋谷区、中野区、練馬区)神奈川県(横浜、川崎)宮城県(仙台)、広島県、大阪府、奈良県、大分県に展開しています。

また、システム提供エリアとして、北海道(札幌)、栃木県(奥日光)、群馬県(嬬恋)、長野県(上田・千曲)、山梨県(甲州)、新潟県、石川県(金沢)、福井県(敦賀)、岐阜県(岐阜西濃、岐阜美濃)、愛知県(名古屋)、大阪府(HUB Chariサービス)、兵庫県(神戸)、広島県(尾道)、沖縄県にもあります。

会員登録に関しては、東京23区(千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、江東区、品川区、目黒区、大田区、渋谷区、中野区、練馬区)、神奈川県(横浜、川崎)宮城県(仙台)、大阪府、奈良県、広島県、北海道(札幌)、群馬県(嬬恋)、長野県(上田・千曲)、山梨県(甲州)、愛知県(名古屋)、石川県(金沢)、福井県(敦賀)、兵庫県(神戸)のドコモバイクシェアサービスに関しては、1つの会員登録だけで可能です。

料金設定に関しては地域によって違いますが、参考として東京都千代田区に関しては、一般的な使い方である1回会員の場合、30分165円から。30分以降の延長料金は30分ごとに110円加算されます。また、ドコモシェアサイクルには月額会員という会員制度があり、こちらは基本料金で月額2200円払うと、最初の30分は無料で使うことができます。この無料時間は、月に何度利用しても30分間無料で使うことが可能です。また、30分以降の延長料金は30分ごとに110円加算されます。月額会員は日頃からドコモシェアサイクルを使うひとにオススメのプランでしょう。

また、観光などで役に立つ1日中利用できる1日パスも一部エリアで販売されています。料金は無人販売機で1日1650円。有人販売の場合、1日1650円にプラスしてICカード発行料金で550円がかかります。

ドコモシェアサイクルを利用する際に必要な物はスマートフォン、クレジットカード、カードキーとして登録する場合にはICカードが必要です。スマートフォンには専用アプリ「バイクシェアサービス」アプリをダウンロードし、会員登録を行う必要があります。また、サービスを利用する際は、SMSの受信ができるスマートフォンが必要です。

料金の支払いは1回会員、月額会員の場合、支払い方法はクレジットカード払い、dアカウントを持っている場合はドコモ払いが可能です。また、1日パスのみは交通系ICカード、有人窓口の場合は現金で購入できます。

ドコモシェアサイクルは、原則24時間利用可能で、利用30分前からサイトからステーションを選び予約できます。また、交通系ICカードやFeliCa対応スマートフォンを利用する場合は予約は不要です。

ドコモシェアサイクルで使われている自転車は、電動アシスト自転車。電動アシスト自転車の中でも扱いやすいママチャリタイプ。泥除けや前カゴが装備されているため、買い物やビジネス利用でも便利。また、車輪の大きさも20インチとコンパクトにすることで、小柄な人でも乗りやすいようになっています。

シェアサイクルの定番といえるドコモシェアサイクルは、料金はシェアサイクルの中では平均レベルですが、サイクルポートの数が多く、月額会員という利点があり利用しやすいシェアサイクル。その一方で、一部エリアでは、再度会員登録する必要があるのが欠点でしょう。

ドコモシェアサイクル公式サイト:https://docomo-cycle.jp/

E-Bikeも用意している大手シェアサイクル「Hello Cycling(ハローサイクリング)」

Hello Cycling(ハローサイクリング)は、オープンストリート株式会社が運営するシェアサイクル。サイクルベースあさひやシナネンサイクル、JTBパブリッシングなどと共同でシェアサイクルを運営するだけでなく、スクーターシェアリングシステム「Hello Scooter(ハロースクーター)」も運営しています。

サービスを行っているエリアは、岩手県、栃木県、茨城県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、香川県、佐賀県、熊本県、沖縄県で、全国約200の市区町村で3600以上のステーションを提供しています。

Hello Cyclingを使う際は会員登録が必要です。ドコモシェアサイクルのように地域によっては、会員登録を複数回行う場合もありますが、Hello Cyclingの場合は、1回の会員登録だけで、全国にあるHello Cyclingのシェアサイクルが利用できます。

料金設定に関しては地域や使用する自転車によって違いますが、東京都で一般的な電動アシスト自転車タイプの場合、15分70円から。12時間で最大1000円が一般的です。ドコモシェアサイクルのような月額会員制度はありません。

Hello Cyclingを利用する際に必要な物はスマートフォン、クレジットカードが必要です。スマートフォンに専用アプリ「COGICOGI SMART!」アプリをダウンロードし、会員登録を行う必要があります。

料金の支払いは、各種クレジットカード(VISA、MasterCard、JCB、American Express、Diners Club)、各種キャリア決済(ドコモ払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払い)、Yahoo!ウォレット決済、HELLOカード(Hello Cyclingが発行する1日乗車専用カード)、HELLOマイル(Hello Cyclingが発行する電子マネー)で決済できます。

使用時間は、原則24時間利用可能で、利用30分前からサイトからステーションを選び予約できます。また、交通系ICカードやFeliCa対応スマートフォンを利用する場合は予約は不要です。

Hello Cyclingで使われている自転車は、主に電動アシスト自転車が使われており、かごや泥除けがついていて扱いやすいママチャリタイプが主流です。一部の地域ではスポーツタイプの電動アシスト付き自転車(e-Bike 「KUROAD(クロード)」)や、ミニベロやクロスバイクといったスポーツ自転車を借りることができます。シェアサイクルを選ぶ時に、写真入りで車種を選ぶことができるので、希望の自転車を選ぶことも可能です。

シェアサイクルの中でもドコモシェアサイクルのライバルであるHello Cyclingは、15分70円と気軽に乗ることができ、PayPayなど多種多様な支払い方法に対応し、地域によってはスポーツ自転車やE-Bikeに乗れる強みがあります。その一方で、サイクルポートの数はドコモシェアサイクルよりも少なく、月額会員制度が無いのが欠点でしょう。

Hello Cycling公式サイト:https://www.hellocycling.jp

COGICOGI(コギコギ)

COGICOGIはコギコギ株式会社が運営するシェアサイクル。2021年9月現在、シェアサイクルだけでなく電動アシスト自転車のレンタサイクルやサブスプリクションサービスも行っています。

サービスを行っているエリアは、東京都、神奈川県(鎌倉・湘南)、京都府、大阪府、福岡県、山口県(萩)、佐賀県(基山町)。他のシェアサイクルサービスと比較すると、ステーションの数は少ないです。

COGICOGIを使う際は会員登録が必要です。料金設定に関しては地域や使用する自転車によって違いますが、東京都の場合、12時間で2310円、24時間で2640円、48時間で3960円の3プランを用意しています。また、チケットの有効期間内であれば他のエリアでも利用できるため、48時間プランで1日目は東京、2日目は鎌倉といった利用もできます。

COGICOGIを使うにあたり、スマートフォンに専用アプリ「COGICOGI SMART!」アプリをダウンロードし、会員登録を行う必要があります。料金の支払いは、各種クレジットカード(ISA、MASTER、AMEX、JCB)で決済できます。使用時間は、原則24時間利用可能です。使用されている自転車は、主に電動アシスト自転車が使われています。

また、COGICOGIはシェアサイクルだけでなく、電動アシスト自転車のサブスクリプションサービスも実施しています。フードデリバリー向けの COGICOGI PASS for delivery crew(月額9350円から)、COGICOGI PASS (月額 9350円)、COGICOGI PASS チャイルドシート付(月額7000円から)を用意しています。

シェアサイクルの中でもCOGICOGIは、ドコモシェアサイクルやHello Cyclingのような短時間から使用できるサービスとは違い、12時間と長い時間での使用を前提としているため、観光用途がメインと言えるでしょう。欠点は、ステーションの数が少ないことと、短時間での利用が想定されていないということでしょう。

COGICOGI公式サイト:https://cogicogi.jp/index.html

30分110円からと低価格でシェアサイクルを「PiPPA(ピッパ)」

PiPPA!(ピッパ)は株式会社オーシャンブルースマートが運営するシェアサイクル。数あるシェアサイクルの中でも、30分110円からと、大手シェアサイクルと比較して低価格で利用できることで知られています。

PiPPA!が展開しているエリアは東京都、山梨県(大月)、新潟県(見附)、京都府、大阪府(枚方・泉佐野市)、和歌山県(有田市)、奈良県(斑鳩)、愛媛県(宿毛)、徳島県(海陽町・東洋町)宮崎県(宮崎市内・延岡)です。会員登録は必要で、1つの会員登録だけで日本全国のPiPPA!のシェアサイクルを使うことができます。

標準的な料金設定は、30分110円からで、30分以降の超過料金は一般的なエリアでは30分ごとに110円となります。ほかにも、時間単位でレンタルできるデイパスプランも用意しています。デイパスプランの料金は地域によって異なりますが、東京都の場合、24時間で330円、 72時間で880円、720時間(30日)で3300円となります。他にも、ドコモバイクシェアと同じように月額料金を設定しており、こちらは、1か月で1650円、6か月で6,600円、12か月で11000円です。月額料金は、1回の利用時間(一時駐輪した時間を含む)が30分以内であれば、何回でも無料で利用可能です。

料金の支払いは 各種クレジットカード(VISA, マスターカード, JCB, アメリカンエキスプレス, ダイナーズクラブ)、モバイルSuica、ドコモケータイ払い、auかんたん決済/au WALLET、ソフトバンクまとめて支払い、ワイモバイルまとめて支払い、支付宝(アリペイ)、銀聯ネット決済、LINE Pay、Apple Payと、シェアサイクルサービスの中では豊富な支払方法が特徴です。

ドコモシェアサイクルを利用する際に必要な物はスマートフォンです。スマートフォンには専用アプリ「PiPPA!」アプリをダウンロードし、会員登録を行う必要があります。

料金の支払いは各種クレジットカード(VISA, マスターカード, JCB, アメリカンエキスプレス, ダイナーズクラブ)、モバイルSuica、ドコモケータイ払い、auかんたん決済/au WALLET、ソフトバンクまとめて支払い、ワイモバイルまとめて支払い、支付宝(アリペイ)、銀聯ネット決済、LINE Pay、Apple Payに対応しています。利用時間は原則24時間利用可能です。

PiPPA!で使われている自転車は、PiPPA!専用の自転車です。多くのシェアサイクルでは電動アシスト自転車を採用している中、PiPPA!の自転車は電動アシスト機能は装備されていません。車体はPiPPA!専用に設計、製造しており、街中でよく見るママチャリとは違い、シンプルなスタイリングを実現。車体には泥除けや前カゴを装備しているので、買い物や通勤といった日常利用でも使用できます。

PiPPA!は他社のシェアサイクルと比較すると、電動アシスト自転車を採用していないという欠点がありますが、料金は他社のシェアサイクルと比較して低価格で使用できるという利点があります。

PiPPA!公式サイト:https://pippa.co.jp/

スポーツ自転車やE-Bikeを多く揃えている東京のレンタサイクル「CycleTrip BASE」とシェアサイクルサービスとの違いとは?

出典:https://cycletrip.jp/ja/

ドコモシェアサイクルやHello Cycling、COGICOGI、PiPPA!といった日本国内にある主要シェアサイクルサービスを紹介していきましたが、ここでは東京・神田にあるレンタサイクル「CycleTrip BASE」を紹介、主要シェアサイクルサービスと比較します。

CycleTrip BASEは、 ZuttoRide Sharing株式会社が運営するレンタサイクルで、東京都千代田区でレンタサイクル事業を行っています。

CycleTrip BASEのレンタサイクルは有料で宅配サービスを行っており、東京都(台東区、墨田区、荒川区、千代田区、文京区、中央区、足立区、葛飾区、江東区、港区、江戸川区、北区、目黒区、品川区、豊島区、板橋区、練馬区、新宿区、中野区、世田谷区、大田区、渋谷区、杉並区、三鷹市、武蔵野市、調布市)、千葉県(松戸市、市川市、船橋市、千葉市、柏市の一部エリア)、埼玉県(草加市、川口市の一部エリア)、神奈川県(川崎市、横浜市の一部エリア)で、宅配サービスを行っています。

CycleTrip BASEを使う際には会員登録は不要です。料金設定に関しては地域や使用する自転車によって違いますが、クロスバイク「GIANT Escape R3」の場合、1日4000円。2日目以降の場合は1日3000円が加算されます。また、1週間や1ヶ月といった長期レンタルも対応しており、Escape R3の場合は1週間で11000円、1ヶ月では14000円です。また、長期レンタルの場合、E-Bike及びカーボン車両の場合は50000円、それ以外は30000円のデポジット(保証金)が必要になります。デポジットは返却時に車体に故障などがない場合など、車体に異常がなく返却された場合は全額返金を行います。また、保険証にて勤務先や、学生証を確認した場合はデポジットは不要になります。

料金の支払いは、各種クレジットカード(VISA,MASTER,DINNERS,AMEX,JCB)、交通系ICカード、QRコードでの支払いに対応。現金(デビットカード含む)でのお支払いの場合は、クレジットカード決済と異なり、通常のレンタル料より+1000円、長期レンタルは+2000円となります。利用時間は9時から18時まで、毎週水曜日は定休日となります。

レンタルできる自転車はクロスバイク、ロードバイク、E-Bikeを中心に、マウンテンバイクなど幅広いスポーツ自転車を用意。一般的なママチャリや、ママチャリタイプの電動アシスト自転車は取り扱っていません。

CycleTrip BASEは、ドコモシェアサイクルやHello Cyclingなどの大手シェアサイクルサービスとは違い、スポーツ自転車のレンタルに力を入れています。レンタサイクルの車種も一般的なママチャリとは違い、スポーツ自転車を取り揃えているので、ポタリングやサイクリングにピッタリでしょう。

CycleTrip BASE公式サイト:https://cycletrip.jp/ja/

C2C自転車シェアリングサービスを行っている「CycleTrip」

出典:https://cycletrip.jp

自転車のレンタルサービスと言えば、ドコモシェアサイクルやHello Cyclingなどの都市型シェアサイクルや、CycleTrip BASEなどのスポーツ自転車レンタサイクルや、一般的なママチャリ型の自転車レンタルが有名です。そんな自転車レンタルサービスの中でも注目されているのがZuttoRide Sharing株式会社が運営するC2C自転車シェアリングサービス「CycleTrip」です。CycleTripが一般的なシェアサイクルとの違うのは、個人間取引のスポーツ自転車シェアリングサービスで、自転車版Anycaに近いと言えます。登録されている自転車はロードバイクやクロスバイク、E-Bikeといったスポーツ自転車です。CycleTripに登録を行っているのは、レンタサイクル業者から個人まで多種多様です。

CycleTripを使うには会員登録は必要です。料金設定に関しては地域や使用する自転車によって違いますが、場所によっては、1日数千円で高額なカーボンフレームのロードバイクや、E-Bikeを借りることも可能です。借りる際にはオプションで盗難保険やロードサービスも用意しています。料金の支払いは、各種クレジットカード、PayPalでの支払いに対応。また、自転車を借りるだけでなく、自転車を貸すことも可能です。個人間取引で登録している自転車のエリアが場所によって台数が異なるなどの欠点はありますが、一般的なレンタサイクルでは見ない高価格のスポーツ自転車がレンタルできるのは

CycleTrip公式サイト:https://cycletrip.jp

ドコモシェアサイクル、Hello Cyclingなどの都市型シェアサイクル、CycleTrip BASEなどの一般的な自転車レンタルサービス、CycleTripなど個人間取引で自転車をレンタルするC2Cシェアリングサービスには、どんなジャンルにおいても様々な利点と欠点があります。そのあたりを踏まえると、ドコモシェアサイクルやHello Cyclingといった一般的なシェアサイクルサービスは街乗りや短距離での通勤、買い物などの日常利用がメイン、CycleTrip BASEなどのスポーツ自転車レンタルサービスや、個人間自転車シェアリングサービスのCycleTripはスポーツ自転車でサイクリングを楽しむレジャー層向けと言えるでしょう。サービスを使う際は特徴を捉えて上手に活用してみてはいかがでしょうか。

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