サイクリングの必需品「サイクリングパンツ」とは?

ロードバイクやクロスバイクといったスポーツ自転車でサイクリングするときに必要な物リストでよく目にするのが自転車専用ウェアです。そんな自転車専用ウェアの中でも注目されるのが「サイクリングパンツ」です。

お尻の痛みを解消するには、乗車姿勢を改善する、サドルを交換する、サイクリングパンツを履くなどの方法がありますが、その中でもサイクリングパンツを履くのは有名な方法の1つです。今回はサイクリングパンツの特徴や種類などを紹介します。

サイクリングパンツとは

一般的な運動用パンツとサイクリング用パンツの一番の違いは、パンツのお尻の部分にクッションが入っていること。クッションを入れているのは、自転車で走行している時にお尻が痛くなりやすいためです。

ロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクなどのスポーツ自転車は、ファミリーサイクル(ママチャリ)やシティサイクルのサドルと比較すると、硬くて細いサドルが装着されています。

スポーツ自転車のサドルが柔らかくて幅広いサドルを使わず、固くて幅が狭いサドルを使っているのは、高回転で漕いでいても脚が当たらず、効率を高くするのもあります。その一方で、サドルの幅が狭く硬くなってしまったため、お尻にかかる圧力が高くなってしまったため、お尻が痛くなることがよくあります。

サイクリングパンツは、伸縮性が高い素材に、お尻の部分にクッションを装着することで、お尻の痛みを軽減する効果があります。

サイクリングパンツの種類

様々な種類があるサイクリングパンツ。ここではサイクリングパンツの具体的な種類を紹介します。

出典:PEARL IZUMI

様々なサイクリングパンツ多くのユーザーに愛用されているのがショート丈のタイプ。膝上までの長さで、ピッタリとした半ズボンのような感覚で履けるのが特徴です。主に、春夏向けに使うタイプで、サイクリングからレースまで幅広い人に愛用されています。

出典:PEARL IZUMI

ショートタイプよりも長いロングタイプは、タイツに近いタイプ。ロングタイプは、遮熱機能を採用した春夏タイプから、防風素材を採用した秋冬タイプまで用意しています。春夏タイプと秋冬タイプは素材自体が違うため注意が必要。時と場合を考えて購入しましょう。

出典:PEARL IZUMI

肩紐があるビブショーツタイプは、肩に紐をかけて履くのが特徴です。ビブショーツタイプはサイクルパンツよりもズレにくいためフット感が高く、激しく動いても安心です。トイレなどで脱ぐ時に手間がかかる問題があります。本格的なレースやロングライドを楽しむ人向けのサイクリングパンツです。

出典:PEARL IZUMI

逆にサイクリングパンツでも、ピッタリとしたタイツ風のタイプではなく、ハーフパンツに近いデザインのタイプもあります。このタイプはサイクリングパンツ特有のピッタリ感が嫌な人向けで、ポタリングやサイクルツーリングを楽しむ人に向いています。

出典:PEARL IZUMI

また、サイクリングパンツではなく普段着で使うパンツを使う場合、パッド付きのインナーパンツを使う方法もあります。このタイプは、普段着でサイクリングを楽しむ人や、サイクリングパンツのデザインに躊躇する人向けです。

サイクリングパンツの多彩な機能とは

サイクリングパンツは通常のジャージとは違う多彩な機能を搭載しています。一番わかり易いのはサイクリングパンツに採用されている素材です。多くのサイクリングパンツには、伸縮性がある素材を採用しています。これはペダルを漕いでいる時に生じるひっかかり感を少なくし、汗を吸い、瞬時に乾かす吸汗素材や、いやな臭いの発生を抑える抗菌防臭加工を施しています。これは、サイクリング中の汗の悩みを解消する機能です。

また、春夏用に使われるサイクリングパンツには、紫外線カット機能を採用しているのもあります。これは、長時間走行しているときに発生する日焼けや疲労の原因である紫外線をカットする機能で、UPF値で表します。因みにUPF値は50+が最高値で、これは肌に何も身に付けていない状態と比べ、その50倍の時間まで日差しを浴びないと同様のレベルまで日焼けしないことを示しています。

逆に秋冬用のサイクリングパンツは、裏起毛仕様など保温性に優れた素材を採用しているのが一般的です。さらに高価なサイクリングパンツには、前面部に風を防ぎ保温性を兼ね備えた防風素材「ウインドブレーク」を採用し、防風性を採用しつつ汗ムレを抑える効果を持っています。サイクリングパンツを作っているメーカーによっては、対応気温を書いている場合もあるため、使用する月日を考えて選ぶのも良いでしょう。

サイクリングパンツの中でも、カーゴパンツなどの街乗り向けモデルは、一般的なズボンに似ていますが、サイクリング用に適した機能が採用しています。動きやすいストレッチ素材や吸汗速乾機能を搭載するだけでなく、股下中央に縫い目がなくして、スムーズなぺダリングを行うことができるなどこだわっています。

そして、サイクリングパンツの特徴であるパッドも、モデルに寄って様々な違いを持っています。例えば、ロングライド用のパッドは、一般的なモデルのパッドよりも厚くし、段階的クッション厚にすることでお尻の痛みを軽減しています。他にもクッションの構造を3層構造にしてを適所に配置することで、体重のかかる挫骨下や、前傾姿勢時に荷重のかかる前側部分に最適な特性にしたり、クッションを立体的な形状にしています。

一部のサイクリングパンツには修理サービスがある。

サイクリングパンツは、様々なブランドから用意されており、一部のブランドには独自サービスを提供している所もあります。例えば、サイクルウェア大手の「パールイズミ」では、パールイズミ製品購入者を対象とした修理サービスを実施しています。サイクリングパンツの場合穴あきやウエストゴム、ファスナーやウエストゴム交換などに関して有償で対応しています。サイクリングパンツを購入する場合、修理サービスに対応しているか調べてみるのも良いでしょう。

サイクリングパンツの選び方

サイクリングパンツを最初に選ぶ際は、どの季節で使うか選ぶ事です。基本的に春夏用と秋冬用を両立して使うことはできません。秋冬用サイクリングパンツを春夏に使うと暑すぎる、春夏用サイクリングパンツを秋冬に使うと寒すぎる問題があります。そのため、どの季節で使うか重点を置くのが良いでしょう。自転車で走りやすい春夏で使うか、寒い日でも走りたいので秋冬用を買うか、よく考えて購入しましょう。

サイクリングパンツは様々な種類があり、種類によって合うシチュエーションがあります。ポタリングやサイクリングでは、ピタッとしたスパッツタイプよりも、パンツの下に履くインナーパンツタイプや、一般的なパンツに見えるハーフパンツタイプなどを選んだほうが自然で良いでしょう。

ツーリングやポタリングなど、自転車と観光を両立する以外の、自転車のライドを中心に楽しみたいのなら、一般的なサイクリングパンツがベストでしょう。

かつて、サイクリングパンツは高価な物が多かったのですが、自転車ブームで様々なサイクリングパンツが登場してきました。サイクリングパンツが気になるのなら一度は試してみては如何でしょうか。

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