電動アシスト自転車/E-Bike通勤入門 その1 電動アシスト自転車/E-Bikeの利点と欠点

新型コロナウイルス感染症などで注目されつつある自転車通勤。自転車通勤はシティサイクルやファミリーサイクル(ママチャリ)、クロスバイク、ロードバイク、マウンテンバイクなど、様々な自転車で行うことができますが、オススメなのが電動アシスト自転車での自転車通勤でしょう。

そして、ここ近年注目されているのがE-Bikeでしょう。E-Bikeは、日本では電動アシストスポーツ自転車の意味を持つ自転車の事。一般的な電動アシスト自転車よりもパワフルで長距離走行を楽しめるのが特徴です。今回は電動アシスト自転車やE-Bike通勤の利点、欠点を紹介します。

電動アシスト自転車とE-Bikeの違いとは

最近ではスポーツサイクルのカタチをした電動アシスト自転車も登場

電動アシスト自転車は、モーターにより人力を補助する自転車の事。原動機付き自転車との違いは、原動機付きにモーターしか使えない事、搭乗者が漕がないと走行しない事、人力での補助しか行わないのが特徴です。アシスト比率は時速10キロまで人力1に対して2、時速10キロ以上から時速24キロまでは、1対2から0までの線形逓減となります。また、専用の三輪電動アシスト自転車で牽引されるための構造でリヤカーを牽引する場合に限り、補助比率が最大1対3となっています。これにより原動機付き自転車とは違い、ヘルメットの装着が不要で、免許いらずで走ることができるのです。

そして近年注目されているのがE-Bikeという電動アシストスポーツ自転車でしょう。一般的なファミリーサイクル(ママチャリ)タイプの電動アシスト自転車の違いは、軽快な走行感を実現している事です。ファミリーサイクル(ママチャリ)タイプの電動アシスト自転車は、重い荷物を積んだり、楽に発進するのを重視しているため、低速重視のモーターを搭載しています。

写真のE-Bike「スペシャライズド Turbo VADO SL」の車体重量は15キロ

その一方で、E-Bikeは時速20キロ以上の高速走行を行うため、高速走行を重視したモーターを搭載。高回転でペダルを漕いでいてもアシストが追従する仕様なのが一般的です。そのためパワーもママチャリタイプの電動アシスト自転車と比較してパワフルなのが特徴です。そして、車体も軽量な素材や設計を採用することでアシストが弱まる高速域でもスピードを維持することが可能。最近では、軽量モデルのE-Bikeの場合、クロスバイクタイプで重量15キロと軽いモデルも登場しています。

フルサスペンションタイプのE-MTBだと40万円台が一般的

価格に関しては大きな違いがあります。一般的なファミリーサイクルタイプの電動アシスト自転車が10万円台前半で購入できるのに対し、E-Bikeの場合は、最低でも10万円台後半から、クロスバイクタイプで20万円台後半から、マウンテンバイクタイプで30万円台からと高価。これは、ロングライドに対応するために大容量のバッテリーを搭載し、軽量な車体にするために、高価な素材を採用しているのもあります。

人力スポーツサイクルと比較した場合のE-Bike通勤の利点

E-Bikeを購入する場合、よく比較されるのが、人力で走るクロスバイクやロードバイク、マウンテンバイクとの比較でしょう。これら人力スポーツ自転車と比較した場合、電動アシスト自転車やE-Bikeの利点は、モーターアシストにより行動範囲が広がることです。

手頃な価格で購入できる人力スポーツ自転車

例えば一番わかりやすいのが、坂道発進が楽な事。これは、どんな人力スポーツ自転車でもできない事。この坂道が楽なのは上っている時が楽になるだけでなく、坂道を躊躇せず走れるため、走る道順も変わります。例えば、今まで人力自転車で走っていた車が多い大通りを走るのではなく、車が少ない坂道を走ったり、今まで引き返すのが面倒だった場面でも引き返すことができるため、通勤だけでなくサイクリングも有利です。

E-Bikeだと坂道が出てきても何にも感じなくなる

また、電動アシスト自転車やE-Bikeは坂道だけでなく、街中での信号待ちの発進のかったるさが少ないのも特徴です。信号待ちからの発進は、人力自転車の場合、適切なギアに選択しないと発進が重くなり、かったるさが増大しますが、モーターアシストがあると、そのような心配も不要です。

モーターアシストにより上り坂や発進での、モチベーションを下がることが無くなるため、自転車に乗らないということも少なくなります。電動アシスト自転車やE-Bikeは、人力自転車と比較すると決して安くありませんが、電動アシスト自転車に乗った場合の効果は大きいでしょう。

50CCオートバイと比較した場合のE-Bike・電動アシスト自転車の利点

電動アシスト自転車は原動機付き自転車よりも高価なモデルが多い

電動アシスト自転車やE-Bikeと比較する時、よく比較されるのが50CCエンジンを搭載した原動機付き自転車でしょう。一般的な原動機付き自転車の価格は15万円台と、電動アシスト自転車より少し高価で、E-Bikeと比較した場合、原動機付き自転車のほうが安価な事があります。

電動アシスト自転車やE-Bikeが高価な理由は、原動機付き自転車よりも複雑なシステムを採用し、高価な素材を採用しているためです。例えば原動機付き自転車の車体やエンジンには安価な鉄を採用していますが、電動アシスト自転車の場合、軽量化を重視して車体にアルミを採用している場合があります。また、さらに高価なE-Bikeの場合、細かい部品にもアルミやカーボンを採用するなど、高価で軽量な素材を採用しています。

また、電動アシスト自転車やE-Bikeに採用されているリチウムイオンバッテリーも、素材自体が高価なので、バッテリーの価格が高いのもあります。

E-Bikeは原動機付き自転車よりも豊富な種類があります。

そして、原動機付き自転車は実用性重視のスクータータイプやスーパーカブなどのビジネスバイクしか無いのに対し、電動アシスト自転車はファミリーサイクル(ママチャリ)から、街乗りスポーツサイクルタイプ、E-Bikeに関しては、ロードバイクタイプやマウンテンバイクタイプなど様々なモデルがあります。因みに、原動機付き自転車にはかつて、ロードスポーツタイプやオフロードタイプなどがありましたが、スポーツタイプがありましたが、原動機付き自転車が衰退したため絶滅しました。

電動アシスト自転車やE-Bikeは車体重量が軽い

車体重量が軽いのも重要です。一般的な原動機付き自転車の重量は約80キロと重いですが、電動アシスト自転車はママチャリタイプで23キロ台が一般的。E-Bikeはクロスバイクで18キロ台、スペシャライズドのロードバイクタイプの軽量E-Bike「Turbo Creo SL」のアルミフレームモデルで13.9キロと、軽量なモデルも用意されています。原動機付き自転車と比較すると簡単に持ち上げることができるだけでなく、ミニバンなど室内が広い自動車なら車内に入れる事も可能です。

電動アシスト自転車やE-Bikeならサイクリングロードなど自転車でしか見られない景色も見ることができる

そして、E-Bikeが一番強いのは自転車で走行可能な所を走ることができる事。これは自転車走行可能な歩道ではなく、自転車走行が許されている一方通行路やサイクリングロードなどを走ることができます。これは通勤だけでなくサイクリングでも様々な道を走ることができるため重要でしょう。

電動アシスト自転車/E-Bike通勤の欠点とは

さて、人力自転車や原動機付き自転車と比較した場合の電動アシスト自転車/E-Bike自転車通勤の利点を紹介しましたが、利点があれば欠点もあります。

電動アシスト自転車/E-Bikeの欠点と言えば車体価格

電動アシスト自転車/E-Bike通勤で、人力自転車と比較した場合の欠点は車体価格でしょう。一般的な人力自転車は、ファミリーサイクルなら5万円もあれば良い自転車が購入できますが、電動アシスト自転車の場合、同クラスのモデルなら13万円ほど必要です。また、E-Bikeになると、車体価格は最低でも20万円ほど必要となります。そのため、盗難防止や車両保険が重要になります。

また、原動機付き自転車との比較では、原動機付き自転車は漕がないで走ることができるのに対し、電動アシスト自転車やE-Bikeは脚で漕ぐ必要があります。そのため、電動アシスト自転車やE-Bikeによっては、モーターの力が強くて楽に走ることができるモデルと、モーターの力が弱い一方、軽くてアシストが切れる速度でも軽快に走行できるモデルまで、様々な電動アシスト自転車やE-Bikeが用意されています。

次回は通勤向けの電動アシスト自転車/E-Bikeを紹介。様々な電動アシスト自転車/E-Bikeの種類を交えながら、どのような使い方や選び方が良いか紹介します。

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